奈良育英中学校・高等学校

NEWS / お知らせ

奈良育英高等学校のお知らせをご案内します。

世界津波の日 高校生サミット

  • 2022/11/01 高校

『「世界津波の日」高校生サミット2022in新潟』に参加しました。

1日目午前 親松排水機場見学
親松排水機場のある亀田郷地区は海抜0m以下の地域であり、流れ込んだ水が川へ流出していかないため、困難な農作業や水害に苦しめられてきた地域です。
この地域に排水ポンプが作られてからは水害の被害が減り、稲作も盛んになっていきました。
しかし、1964年の新潟地震でポンプが壊れて農地に大量の水が流れ込み、収穫量が大幅に減る等、住民は再び水害に苦しめられました。
そこから僅か4年。
驚異的なスピードで現在の親松排水機場が作られ、復興を果たしました。

施設見学を通して、このような〝震災と自分たちとの生活の関り〟について学びました。
特に、震災で電気の供給が不十分になった際、どのように生活をしていくかを考えなければなりません。

1日目午後~2日目午前 きらりうむ佐渡、佐渡金山、北沢浮遊選鉱場見学
ジェットホイールで佐渡島に渡り、佐渡の鉱山と現地の生活について学びました。
佐渡では金、銀、銅が採れる鉱山があり、江戸時代より鉱山での生業を基盤にした生活が続いてきました。
鉱山も地震も大地のはたらきによりできるものであり、人間は自然の恵みを得ながらも、自然の驚異に対してどのように対応しながら生きていくのか。
人間は自然と関わることなしには生きてはいけないということを自覚しつつ、自然との共生について考える必要性に気付かされました。

2日目午後 防災訓練参加
国土交通省と海上保安庁が実施する防災訓練に参加しました。
今回の防災訓練の想定は、「大きな地震が発生し、海上で船が横転、油が海に漏れ出している。その中で、海上の油を除去し、海上保安庁が届ける支援物資を船からおろし、トラックに積みこむ。そしてトラックから降ろされた荷物を被災地域に運ぶ」というものでした。
訓練を通して、非常時には地域の住民が協力し、救助物資を避難地域まで届けることが重要であることを体感しました。 このように防災においては「自助」の考えだけでなく、共助・公助についてもしっかりと考えていく必要があることを学びました。

3日目 サミット1日目(開会式・分科会等)
いよいよ「世界津波の日高校生サミット2022in新潟」が始まりました。

午前は各学校で調査・活動したことを英語で報告し、我々がなすべきことを「アクションプラン」として発表しました。
午後は各学校での取組みや発表を受け、グループに分かれて「防災・減災や復興を考える上で重要なこと」と「私たちにできること」のディスカッションを行いました。
海外の高校生たちもオンラインで参加し、それぞれの国・地域の特徴や、歴史を踏まえながら、自分たちの考えを交えて議論を進めていました。

4日目 サミット2日目(記念植樹・閉会式等)
サミット2日目は、世界サミット開催にあたり新潟県の木となっているユキツバキの記念植樹を行いました。
その後、昨日の分科会で高校生たちが考えた「重要なこと」と「私たちにできること」を発表したのち、閉会式・閉会のセレモニーがありました。
閉会式では岸田総理大臣からビデオメッセージをいただき、若い世代が防災・減災について国際的な枠組みを超え、協働して学ぶことの大切さを伝えていただきました。

閉会式後も、参加生徒たちはお互いに交流し、連絡先の交換等を行っていました。

参加した生徒たちからは以下のような感想が聞かれました。
「充実した4日間でとても得るものが多かった。英語力に不安がある中で参加したが、やはり自分の英語力では十分なコミュニケーションが取れないことを痛感した。特にリスニング能力が足りていない。相手が何を伝えたいのかを十分にくみ取ることができなかったのが悔しい。スピーキングに関しても、十分に話せたとは言えないが、相手の高校生がこちらの意図をくみ取ってくれたように思う。自分の意見を伝えるためにはスピーキングの勉強ももっと取り組まないといけない。」

「今まで県外に出る機会が少なく、海外の人たちとコミュニケーションなど、ほとんどとってきたことがなかったが、世界サミットに参加して、自分たちの小ささを感じた。また、全国・世界から多様な人が来てサミットに参加していたので、自分もたくさんの経験ができて視野が広がった。一方で、自分たちの出身の話をするときに『奈良県』について話せることが少ないことも分かった。改めて、自分たちが住む地域や文化についても目を向けていきたい。」

「新潟県の魅力や地域に根差した防災について学ぶことができた。これからの生活に役立てていきたい。」

「自分たちが事前に準備してきたアクションプランでは、具体性や説得力が低いことを、他校のプレゼンと比較して感じた。プレゼンの準備の大切さを感じた。」

今回、「世界津波の日高校生サミット2022in新潟」への参加にあたり、関西学院大学災害復興制度研究所 齋藤先生、神戸学院大学現代社会学部社会防災学科の皆様、帝塚山大学心理学部 山口先生、龍谷大学政策学部 石原先生や、池田高校 舩浪先生、兵庫高校 窪田先生、御影高校 土居先生、並びにNPO法人very50の杉谷さんをはじめ、多くの皆さまにご協力いただき、生徒たちは多くの学びを得ることができました。

改めて御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

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